むし歯の治療の流れについて知っていますか?
2023年7月11日
みなさんは、むし歯の治療の流れはどのように進んでいくのか知っていますか?
むし歯治療は、まず診察で目視にてむし歯のある位置とむし歯の進行具合はどの程度なのかを確認するとともに、患者さん本人からはいつからどのような症状が出ているのかを聞き取ることから始まります。
一言でむし歯と言っても、痛みの全くない場合もあれば、目視ではむし歯の穴が確認されないのにもかかわらず、ズキズキした嫌な痛みがあって続いているのだが、その痛みが上の歯から出ているのか、それとも下の歯から出ているのか、そしてどの歯から痛みが出ているのかが患者さん自身でも分からないような場合もあります。
どの歯が痛いのかが不明の場合、痛みの原因であると疑われる歯を器具で軽くノックする、棒状のコットンを咬んでもらうなどを行い、痛みの根源がどの歯なのかを調べることもあります。
診察にはレントゲン撮影や口腔内カメラを使って、歯と歯の間の見えない部分や、過去に治療を受けてある詰め物の下の部分に新たなむし歯ができていないかどうか、詰め物と歯との間にすき間ができていないかどうかなど、目視だけでは確認できない部分も詳しく調べます。
緊急で来院された場合などは応急処置として、むし歯で穴があいている場合には、むし歯の部分の清掃消毒を行った上で仮の詰め物を行い、一時的に食べ物がむし歯の穴の中に侵入しないようにします。
また症状が出ている場合は、その症状に対する対処療法を行い、次回にむし歯の該当部についての本処置を行うことになります。
仮の詰め物や対処療法で、今まで出ていた症状が一旦鎮静する場合があるのですが、むし歯が治ったわけではありません。
あくまでも応急的な処置なので、本処置までに半月以上の日数をあけてしまう事や、痛くないから行かなくてもよいという自己的な解釈や判断は禁物です。
むし歯の該当部に対する本処置では、むし歯の進行具合によって使用の可否は分かれるのですが、極度に進行している場合や自発痛が出ているような場合には局所麻酔を行って、むし歯部分を取り除きます。
このむし歯を取り除く際に、むし歯の深度が深すぎて歯の神経までむし歯が到達している場合には、いわゆる「神経を取る治療」を行うことになります。
神経を取る治療を行った場合は、歯根の清掃消毒と歯根内の充填処置の後、歯の土台処置をし、最後に金属や樹脂、セラミックなどの被せ物を作り、歯に固定します。
神経を取る治療をしない場合は、むし歯を取り除いた後に穴のあいた部分の歯を元の形に戻すために樹脂の詰め物や、金属や樹脂、セラミックなどの被せ物を作り、歯に固定します。
これらの工程を経て、むし歯の治療は完了しますが、神経を取る治療を行った場合で、症状の改善に時間がかかるような場合は、治療の回数が多くかかる場合もあります。