口の中に原因がある口臭について知っていますか??
2023年5月5日
「口の臭い」すなわち口臭は呼気(吐き出す息)に混じった臭いであり、それにはいくつかの原因が考えられます。
口臭について分類してみると、
- 年齢的な内分泌の変調などや起床時、空腹時、月経時の口臭などの生理的口臭
- ストレスからくる緊張などにより唾液の出る量が抑制されるために生じる精神的口臭
- 本人だけが口臭を意識しているのに周囲は客観的に口臭を意識しない心因的口臭(自臭症とも呼ばれます)
- 口の中の病気や口の中以外の全身的な病気(鼻やのど又は呼吸器系や消化器系の病気、糖尿病、肝疾患など)による病的口臭
に分けられます。
今回のコラムでは、上記に分類された口臭のうち、④の病的口臭の一部とされている「口の中の病気が原因の口臭」について解説していきます。
歯肉炎や歯周病の場合、歯の掃除が不十分なために歯の間や歯の付け根などにプラーク(歯垢)がたまり、これが腐敗することで口臭が発生することがあります。プラーク(歯垢)は細菌の巣でこれが口臭の元となるインドールなどの臭い物質を産生します。
さらに歯周病の場合は、腫れている歯ぐきからの膿なども口臭の原因になります。
上記の口臭は、歯石取りなどの歯周病治療と、日頃の念入りな歯磨きや補助的清掃道具を用いた細部の清掃、うがい薬の使用などが予防に効果的です。
その他に口の中に原因がある口臭としては、舌苔(ぜったい)や虫歯があります。
舌苔は舌の表面にたまった汚れで、そのほとんどは細菌といわれており、これも口臭の大きな原因となります。
口の中ブクブクとうがいをした程度では舌表面の凹凸に入りこんだ汚れを取り除くことは難しく、シリコンなどの弾性素材で作られている「舌クリーナー」という道具で舌表面の汚れをそっとかき取ることで除去できます。
舌クリーナーでそっとかき取るだけで、白色や茶色などの色を伴ったヌメリのある汚れが
除去できますが、過度にやり過ぎると舌表面を傷つけるので気をつけたいところです。
ハブラシで舌の表面をこすっている方もいるようですが、こすることで刺激が強いと、舌表面にある「味を識別する細胞」を痛めてしまう事も考えられるので、あまり推奨できる方法とは言えません。
虫歯による口臭は、虫歯の進行によってあいた穴に食べ物のが詰まったまま腐敗した場合、または、歯の神経が露出して腐敗している場合に口臭の原因となる場合があります。
歯を磨いても腐食した食べ物や歯の神経の末端が穴の中に停滞していることがほとんどで、治療しないと口臭はそのまま継続することが多いです。
その他、食べ物や嗜好品、例えばニンニク、ネギを食べた後やたばこを喫った後などもその臭いが口臭となります。
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