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年齢と虫歯の関係について知っていますか??(その2、思春期)

2023年11月24日

前回のコラムでは「こども期(幼少期)」の「虫歯が発生するきっかけ」「発生しやすい部位」「口腔ケア方法」について解説しました。

親のこどもの虫歯に対する意識が高いことが、こどもの虫歯予防に大きく寄与するのですが、その虫歯予防が十分である時期は、親が行うこどもの歯の仕上げみがきという親の手がかかっている期間だけです。

親によるこどもの歯の仕上げみがきが徐々にでもされない状態になると、ある程度はこども自身で予防をしていかなくてはならないという事になります。

親が行うこどもの歯の仕上げみがきが継続されている期間中に、歯みがきに対する大切さや虫歯の怖さなどが伝わっていると、こども自身にも虫歯予防の意識が芽生えますが、そうでない場合、親によるこどもの歯の仕上げみがきを止めた後、こども自身での歯みがきを行っても、こども自身にも虫歯予防の意識が芽生えていないことが多く、歯みがきが適切でなくなり堕落していく方向に傾きます。

このようなことを踏まえながら今回のコラムでは、前回の親によるこどもの歯の仕上げみがきに頼る「こども期(幼少期)」の後に続く「思春期」の年齢層について「虫歯が発生するきっかけ」「発生しやすい部位」「口腔ケア方法」について分かりやすく解説していきます。

思春期

思春期は小学校高学年くらいから、身長の伸びが止まる頃までの高校卒業までの年齢層がそれに該当すると言われています。

思春期に入ると、食習慣が変化することがあり、甘いスナックやソフトドリンクの摂取が増えることがあります。

また場合によっては、生え始めた永久歯には良くないとされる炭酸飲料を摂取し始めることがあるかもしれません。

この思春期の時期に、おやつの飲食やおやつの管理について親子で共有できていないと、こどもはおやつを飲食したいときに欲しいだけ飲食します。

そしておやつを飲食した後に自分で歯をみがかないことも多いです。

おやつを飲食すること自体が悪いと言うわけではなく、親子間でおやつの飲食についてのルールが決められていないか、決められていてもそれが守られていないことが問題なのです。

この状態に親もこどもの両者が気付かないまま、おやつの飲食を続けていくことが、思春期のこどもの歯が虫歯になるきっかけになっています。

発生しやすい部位は前歯から奥歯まで全体におよびます。

特に、部活動などで頻繁に水分補給と言いながらスポーツ飲料や炭酸飲料を度々摂取する場合に、前歯から奥歯まで全部の歯が徐々に重症化してくことがあります。

ペットボトル飲料500㎖に含まれる糖分の量を角砂糖(角砂糖1個が5g)に換算すると、

  • ・乳酸菌飲料、㏗3.4、角砂糖約9個分
  • ・コーラ、㏗2.2、角砂糖約9個分
  • ・サイダー、㏗2.9、角砂糖約7個分
  • ・スポーツ飲料、㏗3.5、角砂糖約5個分
  • ・紅茶(糖分混入のもの)、㏗5.5、角砂糖約3個分

という砂糖の量になります。

酸性度の㏗も一緒に記載したのは、酸性度が高い(㏗の値が小さい)飲料ほど歯を直接脱灰(歯を溶かす)ので、歯に対する害が高いと思って頂きたいからです。

甘いだけでなく酸性度も高いことが同時に含まれているのが問題なのですが、部活動などで喉が渇くと言ってこういう飲料を数回に分けて度々摂取すると、歯の脱灰は容易に進みます。

別の言い方をすると、一気に飲んでしまった方が脱灰しにくいという事になります。

酸性度が中性に近いお茶(㏗6.3)、牛乳(㏗6.8)、ミネラルウォーター(㏗7.0)などが歯にはやさしいと言えます。

歯の脱灰と歯の再石灰化については「虫歯についてのコラム⑮」で詳しく解説していますので、そちらのコラムを参照してください。

あめやキャラメル、チョコレートなどを一つ口に入れてなめて溶かした後、口の中に無くなってしまったのでもう一つ口に入れて・・・というのも、部活動でのスポーツ飲料の度々摂取と同じなので、虫歯予防の観点からはおすすめできません。

思春期の年齢層の口腔ケア方法としては、こども期に親が仕上げみがきで行ってくれたのと同等内容の歯みがきを、自分自身で続けることが重要です。

もし、こども期に親が行ってくれていた仕上げみがきの内容が良く分かっていないならば、歯科医院での定期検診の際に歯科医師又は歯科衛生士から歯のみがき方の直接指導を受けることがおすすめです。

歯のみがき方の指導をうけることで、歯のみがき方のコツを得るだけでなく「歯みがきの自主性」を身につけていくのが目標になります。

また歯科医院では歯みがき指導の他に、定期的な歯のクリーニングとフッ素塗布を受けることで虫歯リスクの不安は少なくなります。

思春期における虫歯の根本的な原因が、思春期に入ってからの食習慣や生活環境の変化によるものであれば、まずその変化の改善が重要となります。

おやつの食べ方の基本を理解して、炭酸飲料や甘い飲み物や食べ物、スナックの過度な摂取を避け、バランスの取れた食事を心がけるのと同時に、適切な歯みがきを行うことが虫歯予防の近道です。

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