年齢と虫歯の関係について知っていますか??(その1、こども期)
2023年11月17日
虫歯は年齢に関係なく発生します。
しかし、すべての年齢で虫歯の発生するきっかけや、虫歯の発生しやすい部位などが同じなのかと言えばそうではなく、年齢層によって「虫歯のでき方の違い」があるのです。
そこで、年齢を4つのグループに分けて、それぞれの年齢層における「虫歯が発生するきっかけ」「発生しやすい部位」「口腔ケア方法」について分かりやすく解説していきます。
今回のコラムでは「こども期(幼少期)」の年齢層について解説していきます。
1.こども期(幼少期)
こども期では、歯がまだ発育途中であり、むし歯に対するリスクが高い時期です。
こども期の年齢としては生後~小学校低学年(小学校2~3年生あたりまで)がそれに該当します。
虫歯が発生するきっかけの主なものとしては、おやつで甘い食べ物や飲み物をほぼ毎日飲食する場合が多いのですが、毎日でないにしても一日の中での間食の回数が多い場合や、不適切な歯みがきや歯みがきの習慣などもきっかけとして挙げられます。
発生しやすい部位は、奥歯の隣り合う面や奥歯のかみ合わせの面に多いです。
この年齢層の口腔ケアのポイントとしては以下の点がかなり重要となってきます。
こども期の虫歯予防としては、親や保護者のこどもの歯の仕上げみがきが不可欠です。
歯みがきの習慣がついていたとしても、小学校低学年までは歯の裏側も含めた全体をまんべんなく自分一人でみがくこと自体が難しいため、親によるこどもの仕上げみがきは夜に行う事が望ましいです。
こどもの歯の仕上げみがきをサポートする際に気にしてほしいのが歯ブラシの硬さと歯みがき粉です。
こどもの歯の仕上げみがきの際は歯ブラシの硬さは硬いものは避けて、普通の硬さか柔らかめの硬さのものを選びます。
硬い歯ブラシは一見汚れが取れそうですが、こどもの歯ぐきは薄いので、硬い歯ブラシだと薄い歯ぐきをひっかいて傷つけやすいので不向きです。
こどもの歯の仕上げみがきの際は鉛筆を持つ要領で歯ブラシを持ち、ブラシの平面をやさしく歯の面に当てて左右にブラシを動かして歯の面をこすります。
また、こどもの歯の仕上げみがきの際にフッ素入りの歯みがき粉を使用することで、生えてきたばかりの乳歯や永久歯だけでなく虫歯になりかけている部分の石灰化の助けとなります。
このようなホームケアを行いつつ、歯科医院での定期的な歯科検診とフッ素塗布を行うことで、虫歯になるリスクはかなり減少します。
歯科医院では、親によるこどもの歯の仕上げみがきを毎日行なっていても、親が気づかなかった点について歯科医師や歯科衛生士から気付かされることが多いです。
虫歯になりかけている歯がどれなのか、歯みがきが上手くできていない場所がどこなのか、日常の習慣でこどもの歯並びに影響が出ている場所がとこなのかなど、専門家でないと見つけられない情報を得ることが多々あります。
歯科医院での定期検診で、歯科医師や歯科衛生士から得られたこどもの歯に関する情報をもとにして、その後の親によるこどもの歯の仕上げみがきの際に要注意していく部分を観察し続けていくと、虫歯予防度としてはほぼ問題のないレベルになります。
実際、こどもの歯の仕上げみがきにこだわりを持つ親と、親による仕上げみがきを施されているこどもは、その後も虫歯の治療をすること自体が無いか、虫歯の治療があったとしても数本で済むことが多いのです。
こども期の虫歯発生は、こどもの虫歯予防に対する親の意識が高く、そしてその親自身も自分の虫歯予防に対する意識の高さが高いほど、リスクが少なくなります。
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