歯科衛生士がお伝えする!歯の表面の凹凸ついて
2024年6月15日
こんにちは。
今回のコラムは歯の表面にある凹凸について歯科衛生士の観点からお伝えしますね。
歯の表面にある凹凸は、見た目や感触に影響を与えるだけでなく、歯の健康にも重要な役割を果たしています。
これらの凹凸は主にエナメル質によって形成され、実は歯の本体の保護や咀嚼効率の向上に関わっています。
エナメル質の構造と役割
エナメル質は、歯の最外層を形成する非常に硬い物質で、人体の中で最も固い部分であり、主にハイドロキシアパタイトというミネラルから構成されています。
このエナメル質の層は歯を保護するための最初の防衛線として機能し、食物を噛み砕く際の物理的な力から歯を守り、また、酸や甘い食べ物から来る化学的侵攻に対しても防御壁として機能します。
エナメル質の表面の凹凸は、これらの保護機能を強化し、上下の奥歯が咬み合う面では食物との接触面積を増やして効率的な咀嚼を助けています。
凹凸の健康への影響
歯の表面の細かい凹凸は、歯みがきなどの歯の掃除においても重要なのです。
これらの凹凸により、歯ブラシの毛が歯表面の隅々まで届きやすくなり、プラークや食べかすを効果的に除去することができます。
しかし、これらの凹凸がプラークの蓄積を助ける真逆の側面もあり、特に不十分な歯みがきの場合、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまいます。
そのため、正しいブラッシングと適切な歯みがき道具の選択が、こういった口腔健康問題の予防には極めて重要になってくるのです。
歯科診療での凹凸の管理
歯医者さんでは、定期的なクリーニングと検診を通じて、歯の表面の凹凸に問題がないかについても評価しています。
凹凸が過度に摩耗している場合や異常が見られる場合、それが咬み合わせの問題や歯ぎしりなど他の口の中の問題が原因である可能性が高く異常な状態なのです。
分かりやすく言えば、歯の凹凸がない場合は良い状態ではなく、歯がしみる・咬むと痛い・歯みがきするとピリピリ痛む、などのような日常生活において問題となる症状が出ることが多いということです。
このような場合、歯の神経を取る治療や矯正治療、歯の摩耗の予防としてのナイトガードの使用など、それぞれの方に合った個別の治療方法が提案されます。
歯の表面の凹凸についての説明をしましたが、これは歯の単なる自然な特徴ではなく、歯の健康と機能にとって非常に意味深いものなのです。
歯の凹凸を適切に維持することを考えると、正しい歯みがきの実践と定期的な歯科医院での検診が欠かせないということになります。
また、エナメル質の健康を維持することを考えることで、歯全体の健康を守り、長期的なお口の中の健康を促進することもできます。