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虫歯はどのように進行していくのか??(その②)

2023年5月26日

Overview of dental caries prevention. Dentist examining patient'

前回のコラムでは、虫歯を引き起こす菌が糖を吸収して酸を出し、その酸が歯の表面に作用して歯が脱灰現象で溶け、飲食を止めて30分程度で中性に戻り、だ液中のカルシウムによる再石灰化現象で歯の表面が修復されるという事と、再石灰化のためにはだ液の量や分泌がされているかどうかも重要である事などについて解説しました。

前回のコラムの内容からだけで考えると、飲食しても虫歯が進行しないで悪くならずに保たれているのではないかというような印象を受けるかもしれません。

しかし実際は、歯の再石灰化現象は歯の表面が唾液に直接的に接する部分でしか起こらない現象なのです。

そのため、飲食してそのまま歯も磨かず放置をしていると、汚れが残っている部分は「脱灰して溶けたまま修復されていない」という状態になっているので、この点に注意しなくてはいけません。

歯を磨いて汚れを落とし切ることができている歯の面には、その部分に唾液が作用して再石灰化現象が起こります。

しかし、磨ききれない部分やそもそも歯を磨かない場合は、汚れが歯の面の上に覆いかぶさっていて壁となり、唾液が歯の面に触れるのを邪魔しています。

その邪魔な壁があるために、だ液による再石灰化作用が生じることなく、虫歯はさらに進行する事態となってしまうのです。

時間の経過とともに虫歯の深さは増して進行していきますが、徐々に冷水や温水などを含むと痛むといった歯がしみる症状や、何もしなくても痛くなる自発痛という症状が現れてきます。

一度直したはずの場所も詰め物やかぶせ物の境界には、自分の歯の面があるわけですから、そういう所からも虫歯は生じますから気を付けなくてはいけません。

冷水や温水がしみる、時々出る自発痛といった症状は、虫歯悪化の黄色信号です。

いつか治まるだろうと様子を見ても、虫歯の場合は静かに進行し続けています。

虫歯が原因で歯がしみる、時々痛むという症状の場合は象牙質という歯の神経が入りこんだ層の部分まで進行しているのです。

そして歯のしみ方が強烈になり、痛みの頻度も増して時間がたっても治まらなくなってくると生活や仕事などに支障が出てきます。

何もしなくてもズキズキする痛みが続いて治まらないのですから、精神的にもイライラしがちになり、物事に集中できなくなります。

この症状は虫歯悪化の赤信号です。

この症状が出ていてとりあえず痛み止めを服用してその場をしのいだとしても、実はこの後もっと大変なことが待っているのです。

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