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虫歯はどのように進行していくのか??(その①)

2023年5月19日

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虫歯はいきなり大きな穴が開くイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそうではありません。

実は最初に歯の表面が溶かされるという事から始まるのです。

ではどのようにしてそれが起こっているのかについて分かりやすく解説をしていきます。

虫歯を引き起こす細菌は糖を吸収して酸を排出します。

その細菌から出る酸は酸性なので、歯の面に酸が接触することにより局所的に歯が溶ける現象が生じます。

この現象を脱灰(だっかい)と言います。

飲食が終わった後も、歯の表面で始まった脱灰現象で、どんどんと歯が溶かされて虫歯が進行してしまうのか・・・、と考えてしまうかもしれませんが、多くの場合口の中は唾液で湿っており、唾液も持続的に出るため、局所的な酸性状態も続くことはなく、時間の経過と共に酸性の度合いが薄まり中性に近づいていきます。

中性に近づくにつれて脱灰のスピードも緩慢になり、やがて脱灰スピードがゼロになります。

脱灰現象が止まり、だ液の中に含まれているカルシウムが歯の表面に触れると、今度は溶け始めていた脱灰部分は再石灰化という脱灰とは逆の現象がおこり、歯の表面にカルシウムが取り込まれます。

分かりやすく言い換えると、虫歯になり始めの部分が補修される方向へと傾きます。

このように、私たちの口の中で起こっているのは、一度食べ物や飲み物を口の中に入れると、一時的に歯の表面は脱灰が生じて溶け始めるが、ある程度の時間が経過すると溶け始めの所は徐々に補修されるという、「脱灰→再石灰化」という現象が繰り返し生じています。

今の解説の中にある「ある程度の時間」とは一体どのくらいなのか、という事を疑問に思いませんか。

だ液の出る量が標準的であれば、この時間は約30分程度だと言われています。

標準的で約30分としましたが、では標準的でない場合とはどういう場合があるのでしょうか。

だ液の出る量が少ない、または出ない場合がそれに該当します。

だ液の出る量が少ない状態は、病的なものと加齢的なものの2つに分類され、病的なものは唾液の分泌機能低下や腫瘍などが挙げられます。

加齢的なものは、出る量自体が徐々に減少をしていくのですが、その減り方は個人差があるために、一概にこのくらいの量まで減少する、というような基準としてはっきりしたものはありません。

一方、唾液の出ない場合についてなのですが、これは病的や加齢的というような区別は関係なく、人間であれば全員に起こる現象と言えます。

では、一体どんな時に唾液の出ない現象が生じるのでしょうか。

ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、それは「眠っている時間帯」に生じているのです。

余談になりますが、その時間帯は唾液の分泌以外にも、消化器系統も運動が止まっていますよね。

この、だ液の止まっている時間帯に口の中が酸性のままだと、眠っている間に歯が脱灰され続けてとても危険なのです。

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