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虫歯は進行停止することがあるの???(その①)

2023年6月15日

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前回のコラムでは、自発痛を伴う虫歯の黄色信号を経て、痛みが更に強烈になる虫歯の赤信号に至った後、歯の神経が徐々に弱って死んでいく過程をたどることで強烈な歯の痛みはやがて止まり、その後痛みがないということでその状態を放置したままでいると、歯の根の先で細菌増殖が生じて骨の中で膿がたまったり、歯ぐきも腫れてきて痛みも再び現れることとなり、細菌が全身に波及するような事態になると敗血症となり死に至る場合もあるということを解説しました。

前回までの3つのコラムでは、虫歯が重症化していく一般的な流れについて順を追って解説をしました。

しかし、どの歯も必ず重症化に至るわけではありません。

虫歯が始まっている歯があるとしても、ある条件を満たしている場合、虫歯は進行が停止して現状が維持されることがあります。

では、「ある条件」というのは一体どういう条件なのでしょうか。

前回までの3つのコラムを読んで頂いた方なら、何となくその条件がどういうものかという推測がつくのではないでしょうか。

条件の要点は2つで、「歯の脱灰が生じにくい状態」と、「歯の再石灰化を促進させる状態」の2つを作り出すことを考えてみるといいのです。

つまり、

  1. 1.虫歯を引き起こす細菌の好物である糖がない状態にする
  2. 2.口の中にいる虫歯を引き起こす細菌を除去する
  3. 3.脱灰により壊された歯の表面を再石灰化させやすくする

この3つをいつも完全に保ち続ければいいのです。

「保ち続ける」としましたが、具体的にどうしたら良いのか、それぞれについて個別に解説していきます。

1.の「虫歯を引き起こす細菌の好物である糖がない状態する」についてですが、簡単に言えば「間食するのであればいつも決まった時間になるべく短時間で食べる」ことです。

理想なのは、食事のすぐ後におやつも一緒に取って、間食の時間に食べることがなければ、口の中の酸性度が酸性に傾く回数が、間食がない分1回減るので効率が良いと言えます。

逆に、一番よくないのが糖分の多い飲食物をダラダラと時間をかけて食べたり飲んだりすることです。

歯の表面の脱灰作用の時間ばかりが長くなるため、虫歯を作る近道とも言える飲食の仕方ということになります。

間違って解釈する方が多いので伝えておきたいのですが、糖の多い少ないという量ではなく、口の中に糖がとどまっている時間の長さが長いほど問題なのです。

もっとわかりやすい例をあげると、10粒のチョコレートがあったとして、それを5分ごとに約1時間かけて食べる場合と、10粒をペロリと5分で食べた場合を考えてみてください。

口の中に糖がとどまっている時間は、前者は約1時間、後者は約5分です。

糖がとどまっている時間に歯は脱灰され続けているので、虫歯になりやすいのはどちらかというのが理解しやすいと思います。

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