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年齢と虫歯の関係について知っていますか??(その4、高齢期)

2023年12月8日

前回までの3つのコラムでは「こども期」「思春期」「成人期」の順に「虫歯が発生するきっかけ」「発生しやすい部位」「口腔ケア方法」について解説しました。

親によるこどもの歯の仕上げみがきを通して、「こども期」に親からこどもに歯みがきと虫歯予防の大切さが伝わると、こども自身の虫歯予防意識と歯みがきの自主性が生まれ、「思春期」の前までに、おやつなどの間食の管理が親子間でできていると虫歯予防につながり、「成人期」では自分自身の生活習慣に問題点が見つかれば、生活習慣自体の見直しと改善で虫歯予防ができる、というのが各年齢層における虫歯予防についての要点でした。

上記の「成人期」までの虫歯予防の要点を踏まえながら、今回のコラムでは前回コラムの「成人期」に続く「高齢期」の年齢層について「虫歯が発生するきっかけ」「発生しやすい部位」「口腔ケア方法」について分かりやすく解説していきます。

高齢期

高齢期に入ると、歯の表面の白く見える層の「エナメル質」が薄くなり、歯ぐきの退縮が進行しやすくなります。

エナメル質が薄くなっていくにつれて、エナメル質の下の黄ばんで見える層である「象牙質」が露出し始めます。

象牙質はエナメル質よりも硬さが柔らかいので、歯の摩耗は進行しやすく虫歯のリスクも高いと言えます。

歯ぐきの退縮は加齢による現象でもあり、加齢による細胞内の水分量減少に起因しているとされています。

また、高齢期では唾液分泌量が減少傾向にあるために、唾液による口腔内の自浄作用が低下するとだけでなく、口腔内が乾燥しやすい状態になります。

口腔内が乾燥することで歯周病や虫歯を引き起こす細菌が増殖して定着しやすくなり、歯周病や虫歯が進行しやすくなります。

上記の内容が高齢期におけるよくある虫歯発生のきっかけなのですが、これとは別のきっかけとして、病気や身体の衰えが増したために歯みがきをすること自体が今までのようにうまく出来なくなってしまった、という場合もあります。

高齢期の虫歯として発生しやすい部位は歯の付け根で、これは歯ぐきの退縮で生じた部分の歯の付け根の部分です。

もっと分かりやすく言えば、歯ぐきが退縮して露出した象牙質の部分で、若いころは歯ぐきや歯槽骨で覆われて露出していなかった部分です。

先ほど解説したように、象牙質は柔らかいので歯の摩耗しやすく虫歯のリスクも高いことに加え、高齢期による唾液の分泌量の減少も重なるために、歯みがきが上手くできないと

虫歯が容易に発生します。

高齢期の口腔ケア方法については、成人期のケア方法に準じますが、特別に注意したいのは部分入れ歯が入っているような場合です。

口の中に部分入れ歯を入れている場合は汚れが局所的にたまりやすい部分があるので、虫歯予防のためにはより細やかな歯みがきが要求されます。

入れ歯の洗浄についても入れ歯用の歯ブラシを用いてくまなく表裏の汚れを取り除きます。

この入れ歯の洗浄の際にうっかり歯みがき粉を使用すると、研磨剤の粒子によって入れ歯の樹脂に多くの引っかき傷がつき、その傷に沿って雑菌が入りこみ定着してカビや臭い、そして歯周病や虫歯の原因になります。

高齢期には十分な水分摂取を行って口腔乾燥を防ぎ、入れ歯を伴う場合には

より一層口腔ケアに注意を払うとともに、定期的な歯科検診で虫歯になりかけていないかを診てもらうことをおすすめします。

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