歯の咬み合わせと虫歯との関係は何かあるのでしょうか？？？
2023年8月25日
歯の咬み合わせは、私たちの口の健康にとって非常に重要な要素で、良い咬み合わせは、食事の咀嚼や会話などの日常生活において快適さをもたらすだけでなく、虫歯予防にもかなり大きな影響を与えます。
今回のコラムでは、歯の咬み合わせと虫歯の関係について分かりやすく解説していきます。
良い咬み合わせが虫歯予防に重要な理由としては、食べ物をしっかり咀嚼できることにあります。
咀嚼はだ液の分泌を促進し、食べ物の残りカスを洗い流す効果がありますが、歯の咬み合わせが不適切な場合、特定の歯の特定の場所に食物が集中してしまいます。
その結果、歯の表面に残った食べ物のカスが、だ液によって洗い流されないか、十分に洗い流されないために、停滞することによって虫歯のリスクが高まります。
また、歯の咬み合わせが不均衡である場合は、咬み合わせのバランスが徐々に崩れていきます。
例えば、歯列から1本だけ歯が突出していたり、本来上下で咬み合わさるべきであるはずの歯同士の接触が相互に不十分だったりすると、咀嚼の際にその部分に本来かかるべき負荷がかからないため、本来かかるべき負荷が別の歯に過剰な負荷として加算されてかかるような場合もあり、咬む力の力学的な面と、上下の歯がお互いに接触して咬み合う事で食べ物をつぶすという面積的な面の2つの観点から咬み合わせの不均衡が生まれます。
このようにして特定の歯に過度の圧力がかかることで、歯が欠ける・亀裂が入る・歯がすり減ってくぼみができるなどの歯の破壊や損傷の症状が発生し、その結果として虫歯が進行しやすくなります。
咬み合わせの不均衡による虫歯のリスクが高まる状況は、今述べたような歯の破壊や損傷だけではありません。
これは徐々に生じていくことなのですが、咬み合わせの問題によって、歯と歯の間や、以前に治療した詰め物である充填物とその隣の歯の間にすき間ができることがあります。
隣り合う歯と歯の距離が徐々に離れていき、歯の間にすき間ができていく過程で、食べかすや細菌が徐々にたまりやすくなるため、虫歯だけでなく歯周病の発生も招くリスクが高まります。
また、咬み合わせが不均衡な状態では、特定の歯の歯みがき自体も難しくなる場合があるため、歯の表面の汚れが除去されにくくなります。
咬み合わせの不均衡がない場合でも、習慣的な歯の咬みしめや歯ぎしりが原因でと虫歯が生じる場合もあります。
咬みしめや歯ぎしり（ブラキシズムとも呼ばれています）は、ストレスや不安などの精神的な要因や、咬み合わせの不均衡などが原因となって発生するとされています。
これらの習慣も、前述した咬み合わせの不均衡の内容で解説したのと同様に、歯に過度の負担をかけ、歯の表面に割れや欠けを引き起こすことがあります。
そして欠けた歯の表面は、細菌や食べカスがたまりやすい場所となり、虫歯の発生を促進する恐れがあります。
ここで特に注意したいのが、寝ている時に行う咬みしめや歯ぎしりです。
起きている時よりもかなり強い力で行うことが多く、ひどい場合には、睡眠中に歯が割れたり欠けたりする事もあります。
当事者の本人は、熟睡している時に自分の意思とは全く関係なく咬みしめや歯ぎしり行っているため、自分自身で咬みしめや歯ぎしりをしている事に気付くことはほぼありません。
同居している人や家族にその事実を伝えられて知ることがほとんどのようです。
ここまでの解説で、歯の咬み合わせに問題がある場合、それを放置すると虫歯だけでなく、歯のすり減りや歯ぎしりによる歯自体へのダメージが進行する可能性があることを理解されたかと思います。
予防の観点から何か行う事がないのかどうかについては、治療による適切な咬み合わせの調整があり、虫歯予防だけでなく、歯の健康全般にとって重要な役割を果たします。
また、歯科医院でカスタムメイドのマウスガードを作製し、その活用により歯ぎしりや咬みしめなどの習慣がある場合、このカスタムメイドのマウスガードはかなり役立ちます。
マウスガードは、歯の表面を保護し、歯ぎしりによる歯のダメージを軽減します。
咬み合わせの問題は、初期段階では自覚症状が少ないことがあります。
歯の咬み合わせに関する問題の対策としては、専門的な知識と経験を持つ歯科医師に適切に評価してもらい、適切な対策を講じてもらう必要があります。正しい咬み合わせは虫歯予防にとっても欠かせない要素であり、健康な歯を保つためには重要な要素です。
歯の咬み合わせに気になる点がある場合は、お早めに歯科医院を受診し、適切なアドバイスや治療を受けることをおすすめします。
当院では、咬み合わせの調整やバランスを整えるために、矯正治療や問題となる歯の咬み合わせ部分の調整、歯の詰め物や被せ物の取り換えなどの治療方法を提案しています。
