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歯周病予防に良いとされる歯磨剤を知っていますか?

2023年3月7日

歯磨きする女性

前回のコラム⑤では、夜間の睡眠時よりも日中に起きている時間帯の方が増殖スピードは緩やかで、その理由として日中は唾液分泌により歯周病菌は飲み込まれて胃に運ばれて死滅する、口の中への酸素の取り込みにより嫌気性菌である歯周病菌は酸素に触れて死滅する、舌や口唇の動きにより歯周病菌はこすり取られて唾液と共に飲み込まれ胃に運ばれ死滅する、というように歯周病菌にとっては増殖で増えてもそれを抑え込む環境があるが、夜間などの睡眠時はこれとは全く逆の環境となり、起床する朝までは歯周病菌は増殖しやすく、昼夜では歯周病菌の増えやすい環境の差があるという事を説明しました。

食後の歯磨きの際に、歯ブラシ以外に補助的道具として歯間ブラシやデンタルフロス、エンドタフトブラシ等を用いて、出来る限り汚れを取り除く事は大事なのですが、この際に歯周病の予防のための歯磨剤を取り入れる事を加えると掃除の助けになります。

汚れた缶や瓶を綺麗にするのに、水で何度かすすぐという事をしたことがありませんか?

ベトついた汚れが缶や瓶の内側についている場合、水で何度もすすいでも取り切れません。

細長い器具を入れてこすって洗っても、ベトベトしているので汚れは取り切れません。

水を入れた洗剤を注入して器具でこすり洗いをしてようやく綺麗になります。

歯磨きもこの掃除と似ていて、歯磨剤を使って汚れと共に歯周病菌などの細菌も取り除き、うがいをすることで口の中から除去するのは同じなのですが、違う点がただ一つあります。

口の中は缶や瓶の内面のように単純につるつるした曲面ではないという事です。

口の中には歯が生えているために多くの凸凹があり、うがいをしてもすべてが綺麗に流し出されず、引っかかる部分が多くあるために口の中に再付着してしまう歯周病菌もある程度出てきます。

うがいを数多く行って再付着した歯周病菌を洗いながせばいいと思うかもしれませんが、時間と水が無駄になるばかりで思うように洗い流せません。

ここで歯周病予防の歯磨剤を使う事を考えてみるとどうなのでしょうか。

よくある歯磨剤は歯の汚れを取り除く研磨剤や泡立てるための発泡剤が主な成分ですが、虫歯予防であればフッ素が追加されたものや、歯の微小な亀裂やヒビを補修するという事を前面に出している商品であればハイドロキシアパタイトが追加されていたり、歯がしみるのを改善するという目的あれば硝酸カリウムを追加されたりしています。

歯周病菌を殺菌効果があるとして従来注目されていた成分に「クロルヘキシジン」というものがありますが、過去に国内において口内洗浄液としての使用でアナフィラキシーショックの事例が生じてからは、海外で販売されている洗口液(0.12%〜術後などは0.2%程度)より低濃度(0.0001〜0.0006%)の製品に切り替えられて販売されています。

最近注目されている歯周病予防の歯磨剤には、歯ぐきに潜む歯周病菌に作用をする「IPMP」という殺菌成分と、口の中を漂っている歯周病菌に作用する「CPC」という殺菌成分の2種類の殺菌成分がダブル配合された物があり、殺菌効果を発揮するとして注目されています。

先ほど、うがいをしても流し出されず口の中の凸凹部分に引っかかり、口の中に再付着してしまう歯周病菌もある程度あるという説明をしましたが、この歯周病予防の歯磨剤を用いれば、再付着していたり口の中を浮遊している歯周病菌は殺菌され効果的と言えます。

歯周病予防の歯磨剤の価格は普通の歯磨剤よりもやや高めなので、夜寝る前にはダブル配合の歯磨剤を使用して、日中は普通の歯磨剤を使うと経済的かもしれません。

掃除後の効果的なうがい法を知っていますか?

掃除後のうがいについてですが、ただ漫然と口に水を含んですすぐやり方は悪いとは言えませんが、せっかく歯磨きをして綺麗にしたのだから効果的なうがい方法があれば取り入れていきたいものです。

特に難しい方法ではなく、一口分の水を含んだ後、上下の奥歯をぎゅっとかみ合わせて頬を膨らませたりしぼめたりする要領でうがいをするだけでいいのです。

この時方法を行う事で、含んだ水は歯と歯のすき間を通過して頬側に移動したり舌のある歯列の内側に戻ったりを繰り返し、結果的に歯間の洗浄をするという事が出来ているわけです。

勢いよく行う事で歯間の水洗が効率よく行えるのですが、同時に全体を行うと勢いがあまりよくありません。

右側10回、前方10回、左側10回というように場所を3つに分けて行うなど、場所を狭めて複数個所に分けて行うと勢いをつけやすくなり洗効率が良くなります。 歯と歯は最後までかみしめて行うのを忘れないで下さい、かみしめて行わないとうがい時の水の多くは歯間を通過しません。

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