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歯周病菌の定着しやすい場所とは??<その①>

2023年1月26日

歯が痛い男性

前回のコラムでは、歯周病菌は口の中に侵入した後「定着」し、栄養を得て仲間を増やす「増殖」という過程をたどり、増殖により歯周病が極度に増えた場所には個々の菌から炎症の原因となる「毒素」が放出されることで、歯ぐきや歯の痛み、歯ぐきの腫れや出血といった炎症症状が生じることについて解説をしました。

今回は歯周病菌の定着しやすい場所が具体的にどういう所なのかと、その場所に効果的な掃除方法について2回に分けて解説していきます。

歯周病菌の定着しやすい主な場所

歯周病菌の定着しやすい主な場所としては、

  1. 1.歯と歯の間
  2. 2.上下左右の一番後方に生えている歯の(第2大臼歯や第3大臼歯がない場合は、第1大臼歯や小臼歯という事もある)、後側の面の歯の付け根付近
  3. 3.第1~第3大臼歯の歯根分岐部(奥歯の根と根が分かれる股の部分)
  4. 4.歯並びが悪い部分で、歯と歯が並んでいるが歯がねじれて生えている部位、段差が生じている部位、歯と歯が重なって生えている部位

などがあげられます。

歯ブラシだけで磨いても掃除がしにくいか、しきれない部分なので、汚れや歯周病菌が定着しやすい場所となります。

歯ブラシの毛先がしっかり当たるように磨くことが重要なのですが、すべての場所が平らではなく曲面や凹凸があるため、歯ブラシ以外に補助的な道具を使うと効果的です。

今回のコラムでは汚れや歯周病菌の定着しやすい主な場所として挙げた上記の4つのうち、1.と2.について効果的な補助的な道具を用いた掃除方法について具体的に説明していきます。

1.歯と歯の間

・歯間ブラシ(細めのサイズ)

加齢とともに細胞の水分量が減少すると体はやせて皮膚のハリがなくなりしわができたりしますが、同様にお口の中でも歯ぐきが徐々にやせていきます。

結果的に歯肉退縮という現象が生じて歯と歯の間の歯肉のボリュームが減る事から、歯の間にすき間があいてきます。

個人差がありますが、30才代から始まると言われています。

食事をする都度、食べ物が歯と歯の間にあいたすき間に入りこむので、すき間の大きさにあった太さの歯間ブラシを水平に挿入して掃除するのが効果的です。

簡単に入れやすいからと言ってすき間よりも細いサイズの歯間ブラシを入れていると、

歯の間の空間を歯間ブラシで「空振り」しているだけで、実際は汚れが取れていないことがあります。

また、すき間の大きさが場所により大きい所や小さい所があるのに、面倒くさいという理由から全部のすき間を同じサイズの歯間ブラシで掃除し続けていると、小さいすき間には歯間ブラシを無理に押し込める事になり歯肉出血をさせてしまったり、歯がすり減ってしまい知覚過敏を起こすようなケースもあります。

個々の歯間に合った大きさの歯間ブラシのサイズを複数用意して掃除する必要があります。

・デンタルフロス

歯と歯の間のすき間が大きくあいていない場合で、歯間ブラシの小さめのサイズ(4Sや3Sが入らない場合は、デンタルフロスが効果的です。

市販されているデンタルフロスが歯間に入れにくい場合は、ワックス付きデンタルフロスをお勧めします。

これは滑りを良くして歯間に入れやすくするためにフロスにワックスを染み込ませている商品で、商品のパッケージには「WAXED」などのようにワックスコーティングの表記がされている事が多いです。

いずれの道具も2つの歯が隣接している面に対して汚れが取れるような当て方をして汚れをこすり取る事が肝要です。

2.上下左右の一番後ろに生えている歯の(第2大臼歯や第3大臼歯とは限らない)、後側の面の歯の付け根付近

・デンタルフロス

前項の「歯と歯の間」と同様デンタルフロスが効果的ですが、この部位は歯のすき間でないため歯の付け根の面にフロスの繊維を当てつけて汚れをこすり取ります。

・エンドタフトブラシ

通常の歯ブラシは平坦な面には有効なのですが、この面は場所的にハブラシがあてづらいため、エンドタフトブラシという先の細い局所用のブラシも効果的です。毛先がつぼみ状になっているのでこの部分を歯の根元に当てて、ほうきで掃くようにして汚れを取ります。

この部位の歯の面全体の掃除も大事なのですが、特に根元の掃除が重要です。

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