型取りは痛いですか?
2025年4月8日
前回のコラムでは、仮のかぶせものはどのように使用されるのかを目的や使用方法そして注意点について詳しく解説しました。歯のかぶせものを作る際に必要な「型取り(印象採得)」ですが、初めての方や、型取り自体に苦手意識のある方にとっては、「痛いのではないか?」とか、「気持ち悪くならないのか?」と不安に感じることもあるかもしれません。結論から言うと、型取り自体はほとんど痛みを伴いません。 しかし、型取りの方法や使用する材料によって、違和感や不快感を感じることがあるため、事前にどのような流れで行われるのかを知っておくと安心です。今回のコラムでは、型取りの目的や種類、痛みや違和感を軽減する方法について詳しく解説します。
型取りとは?その目的について
型取りとは歯の正確な形を記録するための工程であり、型取りが適切に行われることで、かぶせものが歯にしっかりフィットし、違和感なく咬めるようになります。
✅ 削った歯の形を正確に記録する
✅ かぶせものを精密に作るための土台となる
✅ 咬み合わせの調整に必要な情報を得る
上記の3つが歯の型取りの目的ですが、型取りが不正確な場合はかぶせものが合わず、外れやすくなったり、咬み合わせにズレが生じたりすることがあります。そのため、歯科治療ではとても重要な工程のひとつなのです。
① 従来の印象材を使う方法(シリコン・アルジネート)
歯の型のことを専門用語で「印象(いんしょう)」と呼びますが、これは、一般的な型取りの方法で、粘土のような印象材(アルジネート印象材やシリコン印象材)を使って歯型を取る方法です。
【流れ】
1.印象材をトレー(歯型を取るための枠)に盛りつける
2.口の中にトレーを入れて歯に押し当てる
3.数分間そのまま待ち、印象材が固まるのを待つ
4.固まったらトレーを取り外し、歯型が完成
▶ 痛みはあるのか?
✅ 基本的に痛みはほとんどなし
✅ 印象材が固まる際に歯や歯ぐきに軽い圧迫感を感じることがある
✅ 奥歯の型取りの場合に、嘔吐吐反射(オエッとなる感覚)を感じやすい方もいる
印象材は歯にしっかりと密着するため、固まった印象材を歯から外す際に少し引っ張られるような感覚がありますが、痛みを伴うことはほとんどありません。
特に、上あごの奥歯の型取りでは、嘔吐反射を感じやすい方もいるため、その場合は鼻でゆっくり呼吸するように意識すると楽になります。
② デジタルスキャン(光学印象)を使う方法
最近では、「口腔内スキャナーを使ったデジタルスキャン(光学印象)」が導入されている歯科医院もあります。
【流れ】
1.小型のカメラを口の中に入れる
2.3Dスキャン技術で歯の形を記録
3.数分で精密なデジタルデータが完成
▶ 痛みはある?
✅ 印象材を使用しないため、圧迫感や不快感がほとんどない
✅ 嘔吐反射を感じにくいので、苦手な方におすすめ
✅ ただし、スキャナーの先端が歯や歯ぐきに当たると、少し違和感があることも
デジタルスキャンは印象材を使わず、スピーディーに型取りができるため、違和感や不快感が大幅に軽減されます。ただし、すべての歯科医院で導入されているわけではないため、事前に確認するとよいでしょう。
型取りの際の違和感を軽減する方法
① リラックスして深呼吸する
型取りの最中に緊張すると、口の中の違和感を強く感じやすくなります。特に嘔吐反射が出やすい方は、鼻からゆっくり呼吸することを意識すると楽になります。口で呼吸すると嘔吐反射しやすいのです。
② 姿勢を調整する
上顎の型取りで苦しく感じる場合は、少し顎を引いてもらうと、喉の奥に流れる感覚が軽減されます。型取りで過去に苦しい思いをした事がある方は、歯科医師や歯科衛生士に遠慮せず伝えましょう。
③ 印象材の味や温度に慣れる
印象材は冷たく感じることがありますが、数秒で慣れることが多いです。また、香り付きの印象材を使用している歯科医院もあります。
④ 嘔吐反射が強い場合は相談する
どうしても型取りが苦手な方は、口腔内スキャナーによるデジタルスキャンや、従来法であれば嘔吐反射を抑制するうがい薬の用意が可能か相談するのもお class=”wp-block-heading”すすめです。
型取りが苦手な方へ
型取りは短時間で終わる処置ですが、苦手意識のある方も少なくありません。特に型取りの際に「オエッとなるのが心配」「口の中に異物があるのが苦手」という方は、事前に歯科医師に伝えておくと、できるだけ負担の少ない配慮をしてもらえます。
当院では、患者様の不安をできるだけ軽減できるよう、型取りの際の姿勢や呼吸法のアドバイス、場合によって嘔吐反射抑制のうがい薬のご提案も行っています。
痛みや違和感を最小限に抑えながら、より精密で快適なかぶせものを作ることを大切にしていますので、ご安心下さい。


