保険が適用される条件は何ですか?
2025年5月6日
前回のコラムでは、かぶせものの費用について詳しく解説しました。歯のかぶせもの(クラウンやインレー)には、「健康保険が適用される場合」と「自費診療(保険外治療)になる場合」がありますが、保険が適用されるためには、一定の条件や制限があることをご存知でしょうか?今回のコラムでは、患者さんが安心して治療を受けていただけるように、保険が適用される条件や、適用される素材・部位について詳しく解説します。
◆ 基本的な考え方:保険は“機能の回復”を目的とした治療に適用(審美性は重視していない)
日本の健康保険制度では、「日常生活に支障が出ないよう、機能的に歯を回復させること」が目的とされています。
そのため、見た目(審美性)を重視した治療は保険の対象外になることが多いのです。
つまり、「咬める」「話せる」など、基本的な機能の回復が必要と判断された場合に、保険診療が適用されるのです。
◆ 保険が適用されるかぶせものの条件とは?
以下のような条件を満たす場合、かぶせものの治療に健康保険が適用されます。
【1】治療が必要な状態であること
・虫歯が進行し、大きな範囲で削る必要がある場合
・根管治療(神経の治療)の後で歯を補強する必要がある場合
・歯が大きく欠けてしまい、通常の詰め物では対応できない場合
このように、“医学的に見て治療が必要な状態”であると歯科医師が判断した場合に、保険が適用されます。 保険で使える素材には制限があります。代表的な素材と、その使用可能な部位は以下の通りです。 CAD/CAM冠の保険適用には、以下のような条件があります ・咬み合わせや歯並びに問題がないこと 「銀歯が気になるから丈夫な白い歯に変えたい」といった、見た目と審美性の両方を良くすることを目的とした治療で、保険適用の素材はありません。保険適用の白いかぶせものの耐久性は十分ではありません。 保険診療は「必要最低限の機能回復」に限られており、素材や治療法に制限があります。 ・保険内でできるだけ白い歯にしたい 歯科医院では、患者様のご希望を伺いながら、保険診療・自費診療どちらの選択肢もわかりやすくご説明していますので、まずは相談してみてください。 保険が適用されるかぶせものの治療には、「治療の必要性」「使える素材と部位」「治療目的」などの明確な条件があります。
素材
保険適用
備考
銀歯(金銀パラジウム合金)
○
ほとんどの奥歯に使用可
硬質レジン前装冠(前歯)
○
金属の表面に白いレジンを被せたもの(見た目は白いが変色しやすい)
CAD/CAM冠(ハイブリッドレジン冠)
条件付きで○
小臼歯(4・5番)に使用可能、条件を満たせば大臼歯にも使用可
・ブリッジではない単独の歯に使用すること
・金属アレルギーの診断を受けた場合、大臼歯にも適用される可能性あり(医師の診断書が必要)【3】耐久性と審美性の両方を目的とした治療ではないこと
このようなケースでは、セラミックやジルコニアといった自費診療の素材を選ぶ必要があります。◆ 自費診療との違いは「自由度」と「目的」
一方、自費診療では素材・技術・治療方針に制限がなく、より自然な見た目や長期的な耐久性を追求できます。◆ こんな時はご相談ください
・金属アレルギーが心配
・保険適用と自費の違いを詳しく知りたい◆ まとめ
患者さんの状態に応じて最適な治療法がありますので、気になることはどんなことでも遠慮なくお尋ねください。


