保険適用の素材と自費の素材の違いは何ですか?
2025年3月11日
前回のコラムでは、他の素材と比較してジルコニアにはどのような特徴や利点があるのかについて詳しく解説しました。歯のかぶせものには、保険適用となる素材と、ジルコニアなど自費診療で選べる素材があります。これらは価格だけでなく、見た目や耐久性、使用感といった面で大きく異なり、どちらを選ぶかはご自身のライフスタイルや希望に応じて決めることが重要です。今回のコラムでは、保険適用の素材と自費の素材の違いは何かについて、それぞれの特徴をわかりやすく解説します。
保険適用の素材の特徴
保険適用となる素材は、国の定める基準に基づいて提供されるため、治療費が一定の範囲内で抑えられるのが最大の特徴ですが、特別に優れていると言うわけでもありません。
主な素材の種類
・銀歯(合金)
銀色の金属製のかぶせもので、主に糸切り歯より後ろにある奥歯の治療に使用されます。
・レジン(プラスチック)
歯科用プラスチックで、主に前歯に使用されますが、奥歯に使用されることもあります。
メリット
1.費用が抑えられる
保険適用の治療は費用負担が軽減され、多くの場合の治療費は3割負担(70歳以上の方や条件によってはさらに軽減され保険証の記載により0割~2割の負担)で済みます。
2.治療範囲が広い
必要最低限の治療として、かぶせものや詰め物が提供されるため、前歯から親知らずまで広範囲の治療に対応できます。
3.比較的短期間で治療が完了する
使用する素材や治療法があらかじめほぼ決まっているため、治療計画がスムーズに進行することが多いです。
デメリット
1.見た目の美しさに限界がある
保険適用の素材は審美性よりも機能性や素材の価格を重視しているため、銀歯の場合は口を大きくあいた際や、歯を見せて笑う際に銀色の金属色が見えたり、プラスチックの場合はその色味がプラスチックで修復されていないご自身の元々の歯の部分の色や、隣の歯と比べた際の明暗の差というものが、経年劣化して出てくるために後々目立つ場合があります。特に前歯の場合では自然な見た目を治療後も長期間継続して求める方には不向きです。
2.耐久性がやや低い
銀歯はそれなりの強度はありますが、レジン(プラスチック)は時間が経つと摩耗したり変色したりすることがあります。素材がそもそもプラスチックですから、耐久性や長持ちする点では限界があります。古いプラスチック製品で数年使用すると、簡単に割れてくるものがあることを見て知っている方であればご理解しやすいと思います。
3.素材の選択肢が限られる
保険適用の場合、選べる素材が決められており、プラスチックの色の種類も豊富にあるわけではないので、特別な希望には対応できないことがあります。
自費の素材の特徴
自費診療の素材は、患者様の要望に応じて審美性や耐久性を重視した選択ができるのが特徴です。
主な素材の種類
・セラミック
自然な歯のような透明感と色合いを持つ素材です。審美性が非常に高いのが特徴です。
・ジルコニア
セラミック以上の強度とセラミック並みの審美性を兼ね備えた最新の素材です。奥歯と前歯の両方に適したベストな素材です。
・ゴールド(金合金)
生体親和性が高く、長期間安定した状態を保つことができる素材です。
メリット
1.審美性が高い
セラミックやジルコニアは天然歯に近い色味や質感を持っており、前歯など目立つ部分に最適です。奥歯の場合には笑ったときに銀歯の場合のように金属色が見えることがなく、自然な仕上がりになります。
2.耐久性が高い
ジルコニアやゴールドは非常に強く、長期間使用しても割れたり摩耗したりしにくい素材です。定期健診を受けて歯のメンテナンスを適切に行えば10年以上使用できる場合もあります。
3.素材や治療法を自由に選べる
自費診療では、素材の種類や治療法をご自身の希望に合わせて選ぶことができます。
4.金属アレルギーの心配がない
セラミックやジルコニアなど、金属を使用しない素材を選ぶことで、金属アレルギーを回避することができます。
デメリット
1.費用が高い
自費診療では保険が全く適用されないため、治療費が全額自己負担になります。ジルコニアのような高品質な素材ほど治療費が高くなる傾向があります。
2.治療期間が長くなる場合がある
精密な技術が求められるため、治療する歯の部位や治療するの本数などにより治療に時間がかかることがあります。
保険適用と自費診療の比較表
| 特徴 | 保険適用素材 | 自費診療素材 |
|---|---|---|
| 費用 | 負担が軽い | 高額になることがある |
| 審美性 | 限られる | 非常に高い |
| 耐久性 | やや低い | 長持ちする |
| 選択肢の自由度 | 限られている | 自由に選べる |
| 金属アレルギー | リスクがある場合も | リスクが少ない(セラミックなど) |
どちらを選ぶべきか?
保険適用と自費診療のどちらを選ぶかは、ご自身のご希望やライフスタイル、予算によって異なってきります。自費診療の場合でもクレジット決済が利用できる歯科医院の場合は、ご自身が使用されるカード会社によっては金利手数料がかかりますが、分割払いを選択されて支払回数を多くすることで、1当りの支払い額を下げることもできます。
・他人からの見た目を重視する方
自費診療でセラミックやジルコニアを選ぶことで、自然な仕上がりが期待できます。
・見た目よりも費用を抑えたい方
保険適用の銀歯やプラスチック素材がおすすめです。
・長く使える素材を選びたい方
自費診療の高耐久素材が適しています。
保険適用の素材は、費用を抑えつつ基本的な治療を受けたい方に適しています。一方、自費診療の素材は、美しさや耐久性を求める方に最適です。一人ひとりのご要望を丁寧にお伺いして最適な治療方法をご提案しておりますので、選択に迷われた際はお気軽にご相談ください。


