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仮歯と本番のかぶせものの違いは何ですか?

2025年9月15日

前回のコラムでは、治療後に歯がしみるのは普通なのかどうか、について詳しく解説しました。

前回の要点は、ある程度の歯のしみる症状は治療後に起こることがよくあるが、その多くは一時的であり、原因や度合いもさまざまで、放置してよいものと早めの対応が必要なものがある、ということでした。

今回のコラムでは、仮歯と本番のかぶせものの違いは何か、について詳しく解説していきます。

かぶせもの治療では、最初に「仮歯(仮のかぶせもの)」を装着し、後日、技工士が作った「本番のかぶせもの(最終補綴物)」を装着するのが一般的です。簡単に言うと、仮歯は「短期間の保護と確認」を目的にした一時的なもの、であり、本番は「長期使用を前提に精密に作られた最終的な補綴物」です。

以下から目的・素材・機能・扱い方などを詳しく比較し、患者さんが不安なく過ごせるよう注意点やケア方法までわかりやすくまとめていきます。

仮歯と本番のかぶせもの主な違いとしての要点

目的

・仮歯:歯を保護する・見た目を保つ・咬み合わせや発音などを確認するための暫定的なもの。
・本番:審美性・耐久性・精密適合を満たす最終的な修復物。

素材

・仮歯:レジン(プラスチック)や簡易的な樹脂で、チェアサイドで短時間に作ることが多い。
・本番:セラミック、ジルコニア、金属、メタルボンドなど、用途に応じた耐久性の高い素材。

強度・耐久性

・仮歯:強度は低く、長期間の使用には向かない(数日〜数週間が基本)──ただしケースによっては数ヶ月使うことも
・本番:咬合や審美性を考慮して製作され、数年以上の使用を前提に作られる。

適合精度

・仮歯:あくまで暫定。縁の精度や接着は本番ほど厳密ではない。
・本番:技工士が精密に製作し、マージン(かぶせものと鳩の境目)や接触点、咬合が高精度に調整される。

接着(セメント)

・仮歯:仮止め用のセメントを使うことが多く、容易に取り外せる設計。
・本番:永久的に近い接着剤(レジンセメントやグラスアイオノマーセメント)で強固に固定する。

仮歯の役割と特徴

1.残った歯の部分の保護
削った歯質や仮の土台を物理的・化学的刺激から守ります(冷たいものがしみるのを軽減するなど)。
2.歯としての機能の維持
食べる、話す、笑うといった日常機能を確保します。咬み合わせの確認もここで行います。
3.暫定的な審美の維持と診断の参考
前歯では見た目を仮歯で確認し、色・形・長さが適切か患者様と確認してから本番を作ります。歯肉の反応(歯ぐきの形の変化)もチェックできます。
4.一時的接着(治療上の都合の場合に)
再治療や根管治療が残る場合、仮歯で保護しながら経過観察します。
5.取扱い上の制限がある
割れやすい、着色しやすい、接着が緩い → 粘着・硬い食べ物は避けてください(ガム・キャラメル・氷・ナッツなど)。
・フロスを引き上げると仮歯が外れることがあるため、歯間は「通す」→「糸を横にスライドさせて取り出す」方法が安全です。

本番のかぶせものの特徴

・精密さ
技工所で色・形・適合を細かく調整。セラミックは焼成や研磨で艶と滑らかさを出します。
材質選択
前歯は審美重視でオールセラミック、奥歯は強度重視でジルコニア、金属は耐久性やコストの面で選択されます。
接着の違い
本番は長期安定のために強力なセメントを使い、外れにくくします(ただし将来の除去は可能です)。
長期メンテナンス
定期検診で辺縁や咬合を確認し、研磨や再調整を行うことで長持ちします。

日常のケアとトラブル時の対応(仮歯・本番共通の注意)

仮歯のケア

・粘着・硬い物を避ける。
・食事の際は仮歯側で強く咬まない工夫を。
・外れた場合:仮歯は捨てずに清潔に保管して早めに来院してください。市販接着剤は絶対に使用しないでください

本番のケア

・通常のブラッシングと歯間清掃(フロス・歯間ブラシ)をしっかり。
研磨された表面でも着色を防ぐため、汚れやステインに注意。
痛み・しみ・咬合の違和感がある場合は遠慮なく来院を。多くは咬合調整や再接着、表面処置で改善します。

よくあるご質問(FAQ)

Q:仮歯を長く使っても大丈夫?
A:仮歯は設計や素材によりますが、長期使用は推奨しません。強度や適合が低いため、割れ・脱離や二次虫歯のリスクが高まります。やむを得ず長期で使用する場合は定期的なチェックが必要です。

Q:仮歯の見た目が気に入らないときは?
A:色・形は装着前に調整できます。前歯は特に患者様の希望を聞いて修正することが多いので、お申し出ください。

Q:仮歯が外れたら自分で接着していい?
A:市販接着剤は口腔内に適しておらず推奨しません。仮歯は保存して早めに歯科医院を受診してください。再接着できることが多いです。

Q:仮歯で発音や咬み合わせの問題が出たら?
A:仮歯で形や高さを調整し、問題を解決してから本番を作るのが一般的です。調整は簡単に行えますので遠慮なくご相談ください。

まとめ

仮歯は「治療の安全・機能・審美を一時的に守るための重要なステップ」であり、本番のかぶせものは「長く使えるよう精密に作られた最終仕上げ」です。どちらも目的が違うため、仮歯は“仮”であることを理解し、適切に扱うことが長持ちのカギです。

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