歯科衛生士がお伝えする!歯周ポケットの測定とケアの方法
2024年2月27日
こんにちは、今回のコラムでは定期検診の際に行われる歯周ポケットの測定とそのケアの方法についてお伝えしますね。
歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの間にある狭い隙間のことを指し、その深さは歯周病の進行度を示す重要な指標となっています。
まずは歯周ポケットの測定について詳しく説明し、その後に歯周ポケットのケア方法について説明していきますね。
歯周ポケットの測定
歯周ポケットの測定は、歯科医院で行われる定期検診やクリーニングの際に歯科医師や歯科衛生士が行いますが、歯周病の進行度や治療の必要性を把握するためにとても重要なのです。
歯周ポケットの測定は、歯ぐきと歯の間にある狭い隙間の深さを測定するための特殊な器具を使って行われており、この特殊な器具は「歯周ポケット探針」「プローブ」などと呼ばれています。
この器具は、歯周ポケットの深さを正確に測定するために開発されており、歯科医療の現場で広く使用されています
測定は通常、1本1本の歯を対象に行われ、測定の結果はポケットの深さと出血の有無に基づいて記録されます。
歯周ポケットの深さを正確に測定することで、歯周病の進行度や治療の必要性が把握しやすくなり、適切なケアプランを立てることができます。
歯周ポケットの測定の手順としては、歯科医師または歯科衛生士が歯周ポケット探針をポケットの入り口から挿入をします。
部位ごとの歯周ポケットの深さに応じて、ポケット探針の挿入深さを調節しています。
ポケット探針を優しく歯ぐきに沿って挿入し、歯周ポケットの底に達した時のポケット探針が示す数字や目盛りがポケットの深さを示しており、この数字が歯周ポケットの測定結果となります。
歯周ポケットの測定結果は、ポケットの深さと出血の有無に基づいて記録されます。
これらの情報は、歯科医師や歯科衛生士が歯周病の診断や治療計画を立てる際に重要なデータとなっているのです。
この測定結果をもとにして、その患者さんの歯周ポケットの状態や必要なケアの内容について説明を行います。
歯周ポケットのケア方法
歯周ポケットの適切なケアは、歯周病の進行を抑制し、歯と歯ぐきの健康を維持するためにとても重要で、ここからは歯周ポケットのケア方法について詳しく説明しますね。
歯周ポケットのケアには適切な歯みがきが欠かせません。
歯みがきは、歯垢や食べかすを除去し、歯周ポケットの中に累積したバイ菌を減らすのに効果的です。
「衛生士がお伝えするコラム①」にも歯みがきについて説明してあるコラムがありますので参考にしてみて下さい。
ここでは歯周ポケットのケアの視点から効果的な歯みがきのポイントについて簡単に触れておきますね。
歯みがきは朝(昼はできるなら)晩の食後に行い、歯ブラシの毛先を歯ぐきに向けて45度の角度で当てて優しく歯と歯ぐきの境目のブラッシングをします。
この時、歯ブラシの毛先を使って歯と歯ぐきの間の隙間(歯周ポケット)にもしっかりと入れ込んで歯垢を除去したいのですが、歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に向けて歯ブラシをゆっくりと動かしながらブラッシングを行ってくださいね。
早く動かすと歯周ポケットに歯ブラシの毛先が入りこまないばかりか、汚れ自体も残ってしまいます。
歯ブラシだけで取り除ける汚れは全体の汚れの60%程度とされており、歯間ブラシやフロスなどの補助的な清掃道具を使用することで、歯と歯ぐきの間の隙間や歯周ポケットの清掃を補完することができます。
歯間ブラシやフロスを使って、歯ブラシが届きにくい細かい隙間や歯周ポケットの中の歯垢をしっかりと取り除きたいのですが、歯間ブラシを歯と歯の間にある隙間や歯周ポケットに挿入し、前後に軽く動かすことで歯垢を除去します。
ここまでの内容で、フロスは、歯と歯の間に挿入し、歯ぐきに沿って上下に動かしながら歯垢を取り除きます。
しかし、歯ブラシと補助的な清掃道具の組み合わせで取り除ける汚れは全体の汚れの85%程度とされており、残った15%程度の汚れは時間と共に蓄積していきます。
そして、歯科医院での定期的な歯科検診とクリーニングは、歯周ポケットの健康状態を確認するだけではなく、自己ケアを行っても蓄積されて残っているとされている15%程度の汚れの適切なケアを行うために重要となるので、意味がある事なんだなと、ご理解して頂けると歯科衛生士として仕事のやりがいを感じる事ができてとても嬉しいです。
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