歯科衛生士が教える!歯みがきのポイントとは
2023年12月15日
健康な歯を保つためには、正しい歯みがきが非常に重要です。今回は、そのポイントについて歯科衛生士の立場から分かりやすくお伝えしますね。
歯ブラシの選び方
歯ブラシの選び方はとても重要です。
普通の硬さか、やや柔らかい毛の歯ブラシを選び、歯と歯ぐきにやさしく使えそうな歯ブラシを探してみてください。
チクチクと刺激になるようなものは避けた方が無難です。
歯ブラシの交換時期の目安としては1~2か月ごとですが、交換の時期よりも毛先が開いてきた時点で新しいものに変えることで、効果的な歯みがきを保つことができます。
開いた毛先の歯ブラシでは、特に歯の間や付け根の汚れを除去しづらく、清掃効果が良いとは言えないので、いつまでも使わないようにして下さいね。
歯みがきの回数とタイミング
歯科衛生士からのおすすめは、最低でも1日に2回、朝と寝る前に歯みがきを行うことです。
実は、朝・昼・夜の3回の食後と寝る前の4回が理想です。
朝と寝る前の1日2回の歯みがきにより、日中の食事やおやすみ前のケアがある程度可能にはなるのですが、この2回だけでは不十分で問題が起きそうだ、とされる方がいます。
間食が多い方の場合が問題の典型で、そもそも間食が多いので、2回の歯みがきだけしっかり行っても、間食のたびに歯が汚れてしまい虫歯になる可能性が高くなるのです。
次に歯みがきのタイミングについてですが、考え方として二つあります。
一つ目は、食後すぐに歯をみがいて、食べ物からの酸による歯の溶解を防ぐという場合で、二つ目は、だ液による再石灰化を考慮して、食事の30分後くらいに歯みがきを行う場合です。
理想のタイミングとしては二つ目の食後30分後くらいにみがくのが良いのですが、「30分程度の時間を待って歯をみがく」ということ自体が実際に難しいような場合もあり、毎回同じように行う事が困難であれば、30分後というのをあくまでも目安として考えて歯みがきをするといいのではないでしょうか。
歯みがきの手順と動かし方
歯ブラシを使って、汚れの大半がたまるとされている歯と歯ぐきの境目を丁寧にブラッシングしますが、歯の表面を小刻みな動きで優しくみがきます。
この際に、歯と歯のすき間や裏側も忘れずにみがくことを心がけましょう。
歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に当てる際には、毛先の角度を気にして下さいね。
45度の角度で歯と歯ぐきの境目に当て、ゆっくりと小刻みにブラッシングします。
良いとされる歯みがきの動きとしては2つあります。
一つ目は、歯ブラシを使って歯の表面を上から下に、または下から上に向かって回転させながら動かす場合で、二つ目は先ほど説明した歯と歯ぐきの境目に毛先を45度傾けて小刻みにみがく動かし方です。
前者は歯の表面積が大きい場所に適していて、上の前歯の表側などがおすすめの場所になります。
後者は全ての歯の裏表に共通しておすすめしたい動かし方です。
2つの方法を組み合わせて行う事で汚れをおとす効率は高まるので、時間がある場合はぜひ行ってみてください。
ただし、どちらの動かし方の場合でも力を入れすぎないように注意してくださいね。
歯みがき粉の選び方
フッ素を含む歯みがき粉を選ぶと、歯のエナメル質を強化し、虫歯の予防には効果的です。
適量を使うように心掛けて使用してみましょう。
ここで少し考えてみてほしいことがあるのですが、フッ素入り歯磨き粉を使って歯みがきをした後に、お水でブクブクうがいをして吐き出してしまった後、お口の中に予防に十分なフッ素は残っているのでしょうか???
実は、水で何度もうがいをすることにより、フッ素の多くは水と一緒に口の中から出てしまい、歯に作用しているフッ素の量はかなり不十分になってしまっています。
フッ素は歯の表面に30分程度とどまっていることで、虫歯予防の効果が十分に得られるとされているので、歯みがき後すぐに水でブクブクうがいはしないで、口の中に溜まっている唾液と共に一旦吐き出すだけに留め、30分そのままで待ちましょう。
水のブクブクうがいは30分程度経過してから行い、それからおやすみになってみて下さい。
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