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歯科衛生士がお伝えする!子供の歯並びについてよくある問題

2024年3月12日

こんにちは、前回のコラムでは「子供の歯並びについて知っておくポイント」についてお伝えしました。

その前回のコラムの中の2番目の項目にある「歯並びの初期段階の重要性」について、今回のコラムでは内容を深掘りしてお伝えしますね。

子供の歯並びの段階は大きく分けて3つあり、乳歯の並びの初期段階、乳歯から永久歯への生え変わりの初期段階、永久歯の生え始めの初期段階に分けられます。

それぞれの初期段階についての歯並びの問題や歯の発育の異常などについて個別に解説していきますね。

乳歯の並びの初期段階でのよくある問題

①歯の間隔の過剰または不足

乳歯の並びには、歯の間隔が過剰または不足する問題が見られることがあり、歯の間隔が極端に広すぎる場合は永久歯の生え変わりの時期に乳歯が抜けずに残ったままその隣の隙間に永久歯が生えてくるという歯並びの問題が生じる可能性があります。

一方、歯の間隔が窮屈で狭すぎる場合、歯垢や食べかすが溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

②歯並びの不正

乳歯の並びの初期段階で、歯並びが不正である場合が見られることがあります。

歯が正しい位置に生えていない場合、上下の歯の咬み合わせが正常でないために上手く物が咬めない場合や、前歯の傾きの異常などにより空気が漏れるなどの問題が起こり発音に問題が生じる可能性があります。

また、歯並びの不正は、永久歯の発育にも影響を与える場合があります。

③歯の早期喪失

乳歯が早期に抜け落ちてしまった場合、永久歯の生え変わりのために適切なスペースが維持され続ける事が出来ない状況が続くと、永久歯のためのスペースが確保されず歯並びの問題が生じることがあります。

歯の早期喪失は、歯並びの不正や咬み合わせの問題を引き起こす可能性があります。

④歯の過剰または不足、歯の奇形

乳歯の数が過剰または不足することがあります。

歯の過剰または不足は、咬み合わせや発音に影響を与える可能性があり、永久歯の生え変わりの際にも問題を引き起こすことがあります。

過剰な歯は歯ぐきの中に埋っている場合や正規の乳歯の近くに生える場合があり、両者ともに正常な歯並びの妨げになります。

2つの歯が癒合して1つの歯になっている奇形状態の歯は癒合歯(ゆごうし)と呼ばれていて、正規の2本分乳歯の幅よりも小さい幅の乳歯の状態で生えてくる場合もあります。

⑤歯周病や虫歯の発生

乳歯の並びに問題がある場合、歯周病や虫歯の発生リスクが高まる可能性があり、歯の並びが不正な場合、歯ブラシやフロスが歯と歯ぐきの間に届きにくくなるので、歯垢や食べかすが溜まりやすくなります。

乳歯から永久歯への生え変わりの初期段階でのよくある問題

①乳歯の早期喪失

乳歯が早期に抜け落ちる場合、永久歯の正しい位置にスペースが確保されず、歯並びの不正や咬み合わせの問題が生じる可能性があり、早期に抜け落ちた乳歯の周囲の歯は、隣接する歯に移動して永久歯の生え変わりを妨げることがあります。

②永久歯の遅延生え

乳歯がなかなか生え変わりの時期に抜けないで予定よりも長く残存している場合、永久歯の生え変わり自体が遅れてしまうことがあります。

このような状況の場合、永久歯の生え変わりを正常に進行させるためには歯科医院での歯のレントゲン写真での検査や乳歯を抜くなどの適切な管理や処置が必要となります。

③歯並びの不正

永久歯が生え始めると、永久歯は乳歯よりも歯の幅が大きいので歯並びの不正が見られることがあります。

前歯が重なったり、ねじれて生えてきたり、歯がうまく並んでいかない場合があります。

歯並びの不正は、咬み合わせや顔の形に影響を与える可能性があります。

④永久歯の虫歯や歯周病

永久歯が生え始めると、虫歯や歯周病のリスクは高まります。

生えてきたばかりの永久歯は、歯としての十分な硬さが得られていないので、歯磨きが不十分だったり、食事中に砂糖や炭酸などの酸性飲料を摂取したりすると、虫歯や歯周病の発生リスクがかなり増加します。

定期的な歯科検診とフッ素塗布などの歯医者さんでの適切なお口のケアが重要です。

⑤歯の不足または過剰

永久歯が生え始める際に、歯の不足や過剰が見られることがあります。

歯の不足は咬み合わせの問題や、歯がない部分空隙ができるために空気が漏れて発音の問題を引き起こす可能性があります。

一方、歯の過剰は、口の中のスペースを過剰に占有してしまうので歯の並びとしては密な状態となって歯並びに影響を与える可能性があります。

永久歯の生え始めの初期段階でのよくある問題

①歯の不足または過剰

前項目の⑤と同じ内容になりますのでそちらを参照して下さい

②歯並びの不正

乳歯からの生え変わりではない12歳臼歯とも呼ばれている第2大臼歯という永久歯が生え始めると、歯並びの不正が見られることがあります。

第2大臼歯が一つ手前にある第1大臼歯の歯の付け根に引っかかって斜めに傾いて生えてきて、途中で生えてくるのが停止したり、歯が正しい位置に並んでいなかったりする場合があります。

この歯並びの不正は、奥歯の咬み合わせや顔の形に影響を与える可能性があります。

③虫歯や歯周病のリスク

永久歯が生え始めると歯の表面が乳歯よりも凹凸が深く複雑な形態なために、歯垢や食べかすがたまりやすくなり、結果として虫歯や歯肉炎のリスクが増加します。

歯医者さんでの定期的なクリーニングや歯科検診は、これらのリスクを管理するために重要になります。

④歯の発育の遅れ

永久歯が生え始める時期は個人差がありますが、時には永久歯の生え始めが遅れることがあります。

乳歯からの生え変わりでない第1大臼歯は6-7才頃、第2大臼歯は12-13才頃が生えてくる目安とされている年齢なのですが、この時期になってもなかなか生えてこない方が稀にいらっしゃいます。

永久歯が生えてくる時期が遅れると、咬み合わせの問題や口腔機能の影響を引き起こす可能性があります。

⑤歯の抜け方の異常

永久歯が乳歯の抜けた場所から生えてくる場合に、乳歯がしっかりと抜けておらず乳歯の歯の根の一部が割れて歯ぐきの中に埋った状態で残っている場合、永久歯が生えてくるべき場所の妨げとなりるので、永久歯が正しい位置に生えてくることができず、本来の位置から少しずれて生えてくることがあります。

これは、このような歯の抜け方が正常でない場合に起こります。

以上のような歯の生え変わりの初期の段階でよくある問題に対しては、子供さんのお口の健康を管理するために定期的な検診を歯医者さんで行っていれば、早期に問題が発見され、それに対する適切な治療やケアがなされて、子供のお口の健康はサポートされます。

親や保護者の方は、子供のお口の健康に関する定期的な検診と適切なケアをもっと重視して頂き、歯医者さんでのアドバイスに従うことで安心できると思いますよ。

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