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糖尿病と虫歯に関係はあるのか?

2023年9月8日

Dentist making anaesthetic injection to woman patient

意外に思われるかもしれないですが、糖尿病と虫歯には密接な関係があります。

糖尿病は血糖値のコントロールが難しい状態であり、この状態が虫歯のリスクを高めてしまいます。

今回のコラムでは、糖尿病と虫歯の関係について、歯科の立場から分かりやすく解説していきます。

まず、高血糖状態が唾液に及ぼす影響についてですが、糖尿病患者の血中の血糖値が高いと、唾液の分泌量や成分が変化をします。

高血糖の状態では唾液の抗菌作用が低下し、虫歯を引き起こす有害なバクテリアの増殖を促進しやすくなります。

また、唾液は口腔内のバクテリアや食べかすを洗い流す役割があり、口の中を清潔に保つために重要なのですが、糖尿病患者の唾液の分泌量は減少します。

このため、口腔内が乾燥し食べかすは洗い流されにくく、結果的に唾液の洗浄効果は弱まります。

また、糖尿病患者が血糖値をコントロールするために使用する一部の薬剤も、唾液の分泌を減少させたり、口の中の㏗を変化させる場合があり、㏗が酸性に傾くと問題です。

だ液の分泌が少なくなると、細菌や食べかすが洗い流されないので局所にたまりやすくなるため、虫歯は起こりやすくなるのです。

次に、インスリンとの関係についてですが、インスリンの不足により高血糖である糖尿病患者の免疫力は総じて低下傾向となるため、口腔内の細菌に対する防御力も弱くなりやすく、感染症のリスクが高まります。

口腔内では歯周病に関係する細菌が増殖しやすい状況になり、歯周病は進行傾向となるため歯を支える組織が侵食されやすくなります。

歯周病が進行すると歯の付け根の歯ぐきが下がるため、新たに露出した歯の根の部分が虫歯になるリスクが高まることがあるので注意が必要です。

また、糖尿病患者は糖質の制限が必要な場合がありますが、食事のとり方を心掛けることで虫歯予防になります。

特に気をつけたいのは「糖質の多い食品」と「酸性の食品や飲料」です。

一つ目の「糖質の多い食品」は歯にベトベトして付着しやすく、細菌も付着して増殖しやすい環境を作りやすいと言えます。

糖尿病患者は、低血糖や高血糖の状態で突然の症状を経験することがあり、低血糖の症状がある場合には、食べものや飲み物に含まれる糖分を摂取して血糖値を上げる対応が必要です。

その際、甘い飲み物やおやつを選ぶことで、先に述べた理由で虫歯リスクが高まることがあるので、血糖コントロールと虫歯予防のバランスを保つことを頭の片隅に置いておきたいです。

二つ目の「酸性の食品や飲料」は歯の表面が脱灰してザラザラになり、このザラザラした表面に細菌が付着しやすくなり、虫歯の原因となります。

健康ドリンクと言われている飲み物で、歯に影響を及ぼす典型的なものとしては、黒酢や青汁、クエン酸、レモン汁などがあります。

これらは酸性度が高いため、継続して飲み続けることで口腔内の㏗が酸性に傾き、多数歯の表面に脱灰が起こる可能性がある事を気にしておきたい飲料です。

このように糖尿病と虫歯は関係があるため、糖尿病患者は口腔内の衛生状態に特に注意を払う必要があります。

自分の口腔ケアを丁寧に行うことが重要ですが、適切なブラッシングだけではなく、フロスや歯間ブラシなどの補助的な清掃道具の使い方の指導を受けて習得することで、歯間の汚れや食べかすを取り除くことができ、虫歯だけではなく歯周病の予防につながります。

特に、フロスや歯間ブラシを使って歯の間の汚れ取り、清潔に保つことは虫歯予防にかなり効果的です。

ただし、このような自己ケアだけでは十分ではありません。

定期的なプロフェッショナルケアとして歯科医院でのクリーニングや歯石除去により、歯垢や歯石の除去が行われることで虫歯や歯周病のリスクをさらに低減することができます。

定期的な歯科検診を受け、早期に虫歯や歯周病の発見と適切な治療が行われることが重要であり、歯科医師に糖尿病の情報を提供し、口腔健康と血糖コントロールの関係を理解してもらうことも大切です。

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