むし歯予防に役立つマウスウォッシュの選び方について知っていますか?
2023年10月27日
むし歯予防にはハブラシでの歯みがきや、補助的清掃道具のフロス、歯間ブラシなどが欠かせませんが、それに加えてマウスウォッシュ(うがい薬)を活用することで口腔ケアの効果を高めることができます。
しかし、スーパーやドラッグストアなどにあるマウスウォッシュのコーナーには、多種多様なマウスウォッシュが陳列されていることが多く、ご自身が使う際にどれが適切であって、どれを選べばいいか迷うこともあるかもしれません。
よく分からないので、気に入った味で選んでしまったり、あるいはテレビのCMで見たことがあるからというだけで、成分などの内容をよく見ないまま商品を決めてしまったりという事も多いのではないでしょうか。
今回のコラムでは、むし歯予防に役立つマウスウォッシュの選び方について、配合されていると良い成分について分かりやすく解説します。
まず、マウスウォッシュを選ぶ際には「フッ素配合」の表示があるかどうかです。
配合されているとしても、そのフッ素の「配合量」の表示もあれば配合量も確認しましょう。
現在では配合されている商品が主流なのですが、なるべく濃度の高いものの方がフッ素を歯に取り込みやすいと考えられます。
フッ素は歯のエナメル質を強化し、むし歯予防に非常に効果的で、フッ素配合のマウスウォッシュは、むし歯のリスクを低減させるのに役立ちます。
次に、歯垢抑制効果があるかどうかです。
マウスウォッシュには、歯垢抑制効果のあるものがあり、歯垢はむし歯の原因となる細菌のエサとなって細菌増殖を促進するため、歯垢を効果的にコントロールできるマウスウォッシュを選ぶことが重要です。
商品のラベルや説明文に「歯垢制御」または「歯垢抑制」というキーワードがないかを探してみると該当しているかどうかが分かります。
ここで、勘違いしないで頂きたいので説明を加えておきますが、うがいするだけで歯の表面に付着している歯垢は落ちません。
基本的にはマウスウォッシュでうがいをする前に、歯みがきをして大半の歯垢を落とし終え、その後にマウスウォッシュを使用することで、みがき残した部分に歯垢抑制成分を作用させると考えて下さい。
3つ目には、殺菌作用があるかどうかです。
一部のマウスウォッシュには、口内の細菌を殺菌する作用があり、これはむし歯や歯周病の予防に有効です。
具体的には、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、塩化セチルピリジニウム(CPC)、クロルヘキシジングルコン酸塩などが代表的な殺菌作用のある成分とされており、この成分がマウスウォッシュに含まれているかどうかを確認してみるといいです。
最後に、むし歯とは少し離れた観点からですが、歯ぐきの健康に関係する成分が含まれているかどうかです。
歯ぐきに炎症や出血がある場合、その歯ぐきの炎症に効果のあるマウスウォッシュを選ぶべきで、歯ぐきに対する刺激が少ないものや、歯ぐきの健康をサポートする成分が含まれているマウスウォッシュが適しています。
「抗炎症成分配合」などと記載されていれば、歯ぐきの炎症に効果があると考えられます。
以上のように、マウスウォッシュを選ぶ際には自分の気に入った味かどうかや、商品名を知っているからというのも選択の一つになるのかもしれませんが、それは効果の有無には重要ではなく、フッ素含有の有無や含有量、歯垢抑制効果、殺菌作用の有無、歯ぐきの健康への配慮を考慮して選択することが重要です。
その上で、口腔ケアの一環として、毎日の歯みがき後のルーティンに取り入れて定期的に使用していくことをおすすめします。
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