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虫歯予防におすすめの歯みがき粉の選び方とは?

2023年9月29日

Question mark from toothpaste. Concept of choosing good toothpaste for teeth whitening. Tube of colored toothpaste on blue background. Copy space for text

患者さんから「虫歯予防のための歯みがき粉で、何かいいのはありませんか?」と聞かれることがあります。

要点を先にお伝えしてしまいますが、汚れ歯が落ちて、歯を傷つけず、歯を強くする、の3つです。

虫歯予防の観点であれば、この3つのポイントが押さえられている歯みがき粉の選択がとても理にかなっているというのが私の結論です。

今回のコラムでは、今述べた3つの要点の内容について深掘りし、歯科医師の立場から分かりやすく解説をしていきます。

汚れを落とすという点に関しては、歯垢の除去効果があるかどうかが重要なポイントです。歯垢は細菌の温床であり、虫歯の原因になります。

ですから、歯磨みがき粉のラベルや説明文に「歯垢を除去する」と書かれているか確認してみるといいです。

歯垢をしっかりと取り除くことで、虫歯のリスクを減少させることができます。

歯の汚れが歯垢のレベルまでであれば、歯みがき粉に特別な成分はあまり必要ありません。

食事の後の食器を洗う際に、スポンジに市販でよく売られているような食器用洗剤を含ませて洗って水ですすぐだけで、汚れの多くは落とすことができますよね。

では、スポンジに洗剤を含ませて洗ってすすいでも取ることのできないようなフライパンに頑固に焦げ付いた汚れなど場合、このコラムをお読みのあなたであればどうやって汚れを落とし取るでしょうか。

金属タワシや特別な洗剤など、何か特別なものを使う事を考えてしまうのではないでしょうか。

これを歯の汚れに例えると、茶渋やたばこのヤニに代表される頑固な着色汚れになります。

こういう汚れは、ハブラシに歯みがき粉をつけてゴシゴシこすれば、それなりに落とせたとしても、完全に取り切れないことがほとんどです。

実は、頑固な汚れを落とすために粗い研磨剤を配合した商品があるのですが、実はこれは歯に全くやさしくありません。

先ほど述べた頑固なフライパンの汚れを取るために、洗剤に砂利を混ぜてゴロゴロと擦って汚れを落とす光景を想像してみてください。

汚れは落ちると思いますが、砂利の石の影響でフライパンに傷がつくか削れてしまうかのどちらかが起こるはずです。

粗い研磨剤入りの歯磨き粉で歯をみがくと、このフライパンのように汚れは落ちるが、歯の表面に傷がつくか歯が削れて薄くなるかのどちらかが起こるということになります。

毎回この歯磨き粉でみがき続けて歯は汚れなく綺麗だが、あちこちの歯が削れて薄くなり、次第に歯がしみてきて神経を抜く羽目になった方もいます。

タバコのヤニや茶渋のような頑固な汚れは、害のある歯みがき粉は使わずに歯科医院で取ってもらう事をおすすめします。

ヤニや茶渋のような極端な例を挙げて歯みがき粉の中の成分の「研磨剤の害」についてお伝えしましたが、汚れが気になるからといって歯みがき粉を多く付けて擦り過ぎると、普通の歯磨き粉を使っている場合でも、歯が削れてしみてくることがあるので気をつけたいです。

そこで考えて頂きたいのは、「自分の歯の感受性に合った歯みがき粉を選ぶ」ことも大切だということです。

元々、歯のエナメル質が薄い場合や歯ぐきが敏感な場合は、なるべく研磨剤の未配合の刺激の少ない歯みがき粉を選んでみてください。

液体歯みがき剤を用いたり、チューブ入りの歯みがき粉でも研磨剤の代わりに多孔質のサンゴなどのパウダーが配合され、その多孔質の穴の部分に汚れを吸着させて汚れ除去するというような商品も販売されているので、そういう商品であれば歯や歯ぐきに傷がつかず、汚れが除去されます。

歯みがき粉の刺激が少ないものは、歯の健康を保つ上で役立ちます。

最後に、歯みがき粉を選ぶ際、歯を強くするという点注目するのであれば「フッ素の含有量」に注目です。

フッ素は、歯のエナメル質を強化し、虫歯に対するバリアを作る働きがあります。しっかりと虫歯を予防したい場合は、フッ素を含む歯みがき粉を選ぶことをおすすめします。

ただし、どの歯みがき粉が自分に合っているか分からない場合は、歯科医師のアドバイスを受けることをおすすめします。

歯科医師は定期的な歯科検診を通じて、皆さんの歯の状態を評価し、適切な歯みがき粉を提案してくれますので安心して相談してみましょう。

また、歯みがき粉選びの際には、不必要な添加物にも注意しましょう。

一部の歯みがき粉には色や香りを付けるための添加物が含まれていることがあり、特にアレルギーや過敏症の方は、不必要な添加物を避けることが大切です。

最後に、虫歯予防に効果的な歯みがき粉として、日本歯周病学会が推奨するものを選ぶことも一つの方法で、これらの歯みがき粉は、科学的な研究に基づいて効果が確認されており、信頼性のある選択肢と言えるでしょう。

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