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歯周病菌が自分の口の中に入り込んだ後どうなるの??

2023年1月19日

リビングで座りながら歯が痛くて頬に手を当て

前回のコラムでは、歯周病菌は保菌している他人の唾液を介して色々なケースで自分の口の中に入り込むということを解説しました。

今回は、入り込んだ歯周病菌が口の中でどうなっていくのかを分かりやすく解説したいと思います。

害がある歯周病菌ですが、自分の口の中に入り込んでも、食べ物や飲み物と一緒に飲み込まれて胃に運ばれてしまうと胃酸によって死滅します。

口の中に入り込んだすべての歯周病菌がこういう経過をたどれば、口の中には害が生じないと考えられますが、実際はそうではなくある程度は口の中のどこかに「定着」をします。

定着をして「栄養を得る」事で分裂増殖し、仲間を増やしていきます。

ところで、「歯周病菌が栄養を得ている」という事を述べましたが、その栄養というのは一体何なのでしょうか。

人が何かを食べたり飲んだりする際、通常は口の中を通過して喉に流れ、嚥下(えんげ)という飲み込みの動作を経て胃に運ばれます。

口の中を通過する際、固形の食べ物であれば飲み込みやすくするために咀嚼をしますが、この時に唾液の中の消化酵素により食べ物は分解もされるので、歯で咀嚼するという過程で次第に食べ物は細かくなりながら粘着性を持っていくようになります。

食べ物のほとんどはその後の嚥下で飲み込まれて胃に運ばれるのですが、歯を使って咀嚼され粘着性も加わっているわけですから、いくらかは歯に付着して残ります。

また、液体の飲み物でも糖類などが配合された飲料や、アイスクリームなどの半流動性の形状の物などは、そもそも最初から粘着性があるので、咀嚼がなくても飲み込む前に歯のどこかに付着してしまいます。

食べ物などを食べ終えた後に歯を磨くことがあるかと思いますが、歯に付着した汚れが綺麗に取り切れるかどうかが問題です。

この、「ハブラシで磨き残した汚れ」が栄養になっていると考えると分かりやすいと思います。

磨き残した汚れに歯周病菌が定着、また歯周病菌が定着している所に汚れが溜まると、栄養を得て増殖をします。

歯周病菌は歯ぐきの炎症を引き起こす「毒素」というものを放出するのですが、増殖した場所には多くの歯周病菌が存在しているわけですから、毒素の量もそれだけ多く放出されることになります。

過度に増殖が進んだ場合、歯ぐきの腫れ、出血や歯や歯ぐきの痛みの炎症症状が強く現れやすいということにもなります。

人の体には細菌などを退治する体の抵抗力、いわゆる免疫力と言われるものがあります。

これが機能していて普段通りの(健康な)体調であれば、多少の細菌は退治され体調が乱れる事はありません。

しかし、寝不足、仕事や運動のし過ぎなどで疲労が溜まっているような体調の場合は、免疫力が一時的に衰えているため、いつもなら退治されるはずの細菌の数が発生していても、退治しきれず炎症が発生し、痛み・腫れ・出血などが生じます。

このように初めから過度に細菌が増殖していない場合でも、体調の良し悪しで免疫力が左右される状況にあるため、突然に歯周病の炎症が生じる場合があるのです。

炎症症状がでている場合、炎症部周辺の洗浄や抗生物質の服用を行い、極度に腫れている場合は歯ぐきを切開して腫れの元になっている膿を出すなど、炎症症状を軽減させる対処療法を行います。

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