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歯周病菌が増えやすい環境について知っていますか??

2023年2月28日

Woman with gum inflammation, closeup

コラム②では、歯周病菌は口の中に侵入した後に定着して、栄養を得て仲間を増やす増殖をし、増殖することで歯周病が増えた場所には歯周病菌の量の多さに比例して炎症の原因となる毒素が放出されることで、歯ぐきや歯の痛み、歯ぐきの腫れや出血といった炎症症状が生じ、この炎症症状を引き起こしにくくする手立てとしてコラム③と④では歯周病菌の栄養となる汚れを補助的な道具を使用して効果的に除去する方法を説明しました。

補助的な道具を用いて掃除をしたのだから、歯周病対策はこれで万全だろうと考えたいですが、残念ながら歯周病菌がゼロになったわけではありません。

分かりやすく説明をすると、最初にいた歯周病菌の数(炎症症状を出していて歯ぐきなどが調子の悪い状態の時の歯周病菌の数)、が100だったとすると、掃除により10~30に減った状態で、掃除が上手くできたかどうかが大きく左右されるので幅を持たせて10~30としています。

ある程度の歯周病菌の数を減らして歯周病菌の増殖が抑制できている状態になっただけだと言えます。

掃除により汚れがゼロになったわけでもなく、歯周病菌もゼロになったわけでもないのですから、掃除をした直後から徐々に時間が経過すると歯周病菌は増殖していきますが、残っている汚れがゼロに近いほどそのスピードは緩慢なものとなります。

ただ、汚れがゼロに近くても全く増殖しないというわけではないのですが、1日の中でも夜間の睡眠時よりも日中の方が増殖のスピードは緩やかだとされています。

その理由としては、

  • ・日中は口の中では唾液が分泌されているため、増殖してもある程度の歯周病菌は唾液単独の飲み込みや飲食物の飲み込みなどで胃に運ばれて死滅する。
  • ・会話などをすることで口の中への酸素の直接的な取り込みがあり、歯周病菌は酸素を嫌う嫌気性菌が多いので酸素に触れると死滅する。
  • ・舌や口唇の動きにより歯の面で増殖した歯周病菌はこすり取られて唾液と一緒に飲み込まれ胃に運ばれ死滅する。

と言った事情が挙げられます。

夜間などの睡眠時は、唾液の分泌が止まるため歯周病菌が唾液と共に飲み込まれて胃に運ばれることもなく、口を閉ざして鼻で呼吸する(鼻が詰まっていて口呼吸の場合は別です)ので口の中に酸素が入ってこない状況(これが歯周病にはとてもいい環境の一つです)、舌や口唇の動きもないので歯の面で増殖した歯周病菌はこすり取られにくい、こういった日中とは全く逆の事情により、起床する朝までは増殖しやすい環境となります。

このような歯周病菌の増えやすい環境の差がある事を理解すると、1日の中でも就寝前の口の中の汚れは朝や昼の掃除以上に念を入れる事が重要だと言えます。

時間をかけて歯ブラシと共に歯間ブラシやデンタルフロス、エンドタフトブラシと言った補助道具を上手く用いて、出来る限り汚れを取り除く事を意識していくといいでしょう。

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